気温6℃。なのに半そで、半ズボン。
今日のかいぬしさまのいでたちである。
もけは、そっと進言した。「…寒そうというより、へんな人みたいですきゅ」
「上着、わすれた」
「もけは脂肪があるから、寒くないよね」
きゅ。きゅ。きゅ。脂肪があっても、上着を着てても、寒いですきゅ。
「おばレ」(幽霊ではなく、年齢を重ねているという意味だと思う、というかそれ以外あり得ない)
5月の朝6時は充分朝なのだが、まだ陽射しが弱く、まわりがほの暗く見えた。
暗い砂利道を歩いていくと、沢の音が大きく聞こえてくる。
気づかぬうちに、白い光が強くなり、葉や空に透明感が出てきた。
冷たい空気、高い鳥の声、静かな森、日中の暑さを予感させる青い空。
まるで夏休み。
2匹はせっせと渓谷沿いを歩いた。流れの音で会話が聞き取りづらいから、そんなにしゃべらない。
飛んだり、うねったりする流れを見ていると、飽きることがなかった。
有名な七ツ釜五段の滝の先に「しゃくなげ」があった。
花はいつも、かいぬしさまが先にみつけて、教えてくれる。
薄暗い森の中に、小さなピンクのブーケが点在し、発光しているように見えた。
先週も高尾山で見たが、こちらのほうが背景で勝っている。
見るものが、すべて美しい場所だった。
歩行時間:4時間
ルート:西沢山荘−七ツ釜五段の滝−駐車場
今日のポイント:上着は余分にもっていきましょう。 |
|