雪原をわたる風は冷たかった。
「かいぬしさま。すずしくなりました。よかったですきゅね。」
「ばか。寒い。上着は?」とても暑がりなかいぬしさまでも寒いらしい。
「そっちのリュックですきゅ。」
2匹はいそいそとレインコートをはおった。
途中、スノーボードやスキー板を持っている人とすれ違った。
ここまでの道は蒸し暑かったので、よっぽど上から担いできたのかと思っていた。
そうだよね、『雪』渓だもんね。すべれるよね。ひとり納得するモケだった。
もたもたとアイゼンをとりつけるわれわれの前を自然観察教室のグループが通り過ぎてゆく。
講師が皆に説明している。
「いいですか。一列に、それぞれ間隔を2メートルぐらいずつあけて、ついてきてください。
道を外れると雪を踏み抜く可能性がありますよ。」
(きゅ?)顔を見合わせるけもの2匹。雪の下は川。あぶない。
モケはおっかなびっくり、でも、いそいそと彼らの後をついていった。
あのグループにはぜんぜん関係ないけれど、彼らが通った後なら間違いない。
身の安全は大事ですきゅ。
ほんの少し上がっただけで、左の崖にシラネアオイの群生が見えた。
だが、カメラを持っていなかった。足元が不安定なところでカメラをこわさないか心配だったからだ。
上からはスキーヤーが滑りおりてきている。
ここでリュックのカメラを取り出すのは難しい・・・。残念ですきゅ。
次回はポケットに入るミニデジカメを持ってきますキュ。
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