すぐに発車時刻だった。
いろいろ切符の種類があったが、とりあえずいちばん上に行けるものを購入した。
「まもなく発車します。お急ぎください」
改札の女性に急かされて、2匹は走り込んだ。
ロープウェーは大きくたわみながら(乗ってるときはわかんなかったけど)発哺温泉へ向かった。
なだらかな山肌は赤い木々で覆われ、その奥に戸隠の山々が広がる。
すばらしい景観に、いやな予感がした。
「ここでこんなに紅葉しているってことは、山頂は(紅葉が)終わってるいるのでは」
それをかいぬしさまにお伝えするのは憚られた。
いつも調査不足で怒られているが、自分からぶんなぐられるよう仕向ける必要はない。
志賀高原に行きたいって言ったのはかいぬしさまだから、もけ悪くないよね?
そう思ったら、心配ごとがなくなった。
発哺温泉から、次のゴンドラリフトまでの道は、赤、黄、橙、緑、色とりどりの林だ。
なんてきれいなんだろう。
われわれは大喜びで写真を撮りはじめた。
しかしまだここは途中。こんなところでもたもたしていては山頂で歩く時間がなくなる・・・
と思い、振り返りながら先を急いだ。
せまいゴンドラを降りると、もう、東館山山頂である。
体長の2倍以上シッポがあるオコジョキーホルダーや高級オコ(ジョ)Tがある売店を冷やかしながら
展望台の扉を開けた瞬間、ものすごい突風が吹きつけてきた。
寒い。寒い。寒い。
360度さえぎるものがない。が、寒さと強風でまともにカメラを構えられない。
白い峰が冬の到来をつたえていた。
山頂のまわりを歩きだした。足元がしゃりしゃりくずれた。霜だった。
樹々はすでに葉を落とし、白い枝が青空に映えていた。
しばらく進むと、小さな鳥居があった。
階段をあがる。参堂に沿って笹が刈り込まれている。
100メートルぐらいで、鉄パイプで支えられた灯篭みたいなものがあった。
これが神社か。
こりゃお賽銭はのぞめそうにないな。
しかし、まぁるく刈り込まれた丘の上に、ぽつんと建ったそれは さりげなさがこの山にふさわしいような気がした。
一周すると、裏に小さな小さな桜の木があった。
鳥居があって、いちばん高いところに建っていて、桜まであって、しつらえは立派に神社なのだった。
しばらくそこで周囲の山を眺めていた。
雪の重みか、開発のせいか、なだらかな曲線しか見えない。 時折、子供の高い声が風にのって聞こえてくる。
毎日これを見てたら飽きるだろうか。
そんなことを考えていた。
寒さががまんできなくなってきたので、下山することにした。
鳥居をくぐりぬけたとき、柱に箱がくくりつけられていることに気づいた。
【賽銭箱】
スキーヤーやスノーボーダーが手袋をしたまま、小銭を入れてくれるのだろうか?
そんなわけないよな。
ちょっとゲンキンな感じがして、思わず笑ってしまった。
山頂はすでに冬を迎えていた。
∵ 参考になるページ : 発哺温泉・ブナ平ホームページ
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撮影日:2004年10月24日
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