「きょう、山ゴハンにしようか。」
かいぬしさまが言った。
「わかさぎが釣れるところですきゅよね? 凍って寒くてそれどころじゃないのでは。」
行き先は赤城。寒中クッキングは難しいように思われた。
「だけどさ、中禅寺湖が凍ってないんだぜ。大沼、凍ってるのかな。」
一月前に出かけた日光。確かに凍っていなかった。
赤城と標高はそんなに変わらなかったような気がする。
「とりあえず『わかさぎ釣り』を見に行こうきゅ」
きょうはわかさぎフライ? そんな期待に目をキラキラさせながら、みみげ号は出発した。
渋川・伊香保ICを降りる。着く前から、雪が積もっているのがわかった。
山道を上がっていくと、道路の両脇に杉林が広がっている。
みな枝が払われ、クリスマスツリーの形をしている。
葉の先には均等に雪が凍りつき、赤緑色の樹皮に華やかさを添えていた。
整った木立に降りかけられた雪が色をそろえ、景色を単純化する。
そこに陽が注ぐと、地表が白く発光し、いっそう美しく見えた。
(峠道では写真を撮っていません。想像してください。)
そんな景色とは裏腹に道路は過酷な状況。
カーブや日陰で、氷がでこぼこしているのが見える。時々ハンドルが持っていかれて、驚く2匹。
きっと、かいぬしさまは景色なんか見てなかっただろう。
山道の終わりは白樺牧場。ここは初夏のつつじがとてもきれい。
いまは一面の雪に覆われ、もちろん牛もいない。電光掲示板に『マイナス10℃』と出ていた。
山ゴハンは無理そうだ。
ゴールの大沼。外に出ると、強風と雪つぶてが襲ってきた。
かいぬしさまは早々に車へ引き返されました。
写真を撮りに湖上を歩いたが、いや、もう、2004年度出かけた先でいちばん寒いところでした。
湖上といっても、氷の上に雪が積もっているので感触は地面を歩いているのと変わらない。
木の生えているところが水際と思われるぐらいだった。
色とりどりのテントに、モケも仲間入り!の予定は、寒さに負けた。
あっさりわかさぎ釣りを諦め、いそいそと蕎麦屋へ。
わかさぎフライとビールで体を温めました。
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