村の春
時刻は7時前。早起きはわれわれだけではなかった。
清春芸術村には何人もの花見客がきていた。

名前からひとつの村落をイメージしていたが、ふつうの美術館らしい。
古めかしいドーム型の建物。
空をふちどる山の稜線。
咲き誇る桜の古木たち。
ここにもいまだけしか見られない美しさがあった。

美術館はまだ開門されておらず、芝の広場には誰もいない。
しかしそれがよかった。
まだだれにも汚されてない雪原のようだったから。

敷地を囲む桜は75年前のもの。
小学校落成を記念して生徒たちが植樹したそうだ。
植樹の際、将来にこれだけの美しさを伝えているなんて誰が想像しただろう。

たくさんの鳥のさえずっている。
あたたまりはじめた地面から春の匂いがする。
犬がコロコロたのしそうに走ってきた。
リードを持った男性が「こんな天気はめずらしいですよ。最近、天気悪かったから」
と教えてくれた。

桜を撮りながら思った。
人間の目は便利だ。自分が見たいものだけを見る。
写真にはさまざまな夾雑物が入ってしまう。
本当はそう思うほうがおかしいのだ。自分に都合の悪いものを無視しているだけなのだから。

しずかでなつかしい風景。死ぬ前にもう一度見たい。

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今回は写真をスライドショーにしました。青空に映える桜をどうぞご覧ください。
自動で次の写真が表示されます。回線が細いと少し動作が重いかもしれません。


■ 地図山梨・清春芸術村 powered by Mapfan / 他

撮影日:2006年4月16日  

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